2013年9月20日金曜日

2013年9月10日~ がってんレポート

第十五章

『ワンピースキャンプin網地島6泊7日』の野外環境コミュニケーションキャンプを行うにあたり、
多くの皆さまの支援と応援がなければ実現することはできませんでした。
この場を借りてお礼申し上げます。

2011.3.11の震源地に一番近い島の一つ網地島で、
被災された大学生や子供たちを中心に自然と島の暮らしに向き合いました。
今は穏やかで碧い海の水を目の前に、
一度大地が動き出すと海が動き黒くうねるような海の水を知っている学生や子供たち。

今回は台風と言うサプライズが再び海を変化させました。
しかし、台風を迎える前の数日間仲間と共に“生きる”コトに向き合った学生は、
少ない経験の中から、知恵と技術を早いスピードで吸収し、
判断・決断・実行の連続で乗り切りました。
人は自然同様に、『常に変化し動いている』そんなことを確認た8日間でした。
そして列島各地で様々な自然災害を経験している若者たちは、
その経験を経て未来を信じれる体験を共にフィールドワークすることで未来は暗くないと言うコトを理解しました。

9月10日~
想い想いの目的と課題を持って、
岐阜・神奈川・福島・宮城・新潟の大学生が石巻駅に9月10日の朝集まりました。

互いに知しらない仲間ですから、
石巻駅から網地島行きのフェリー乗り場までの移動は、
とても静かだったと記憶します。
この静かなバスの車窓の外は、
今から2年と半年程前に地震と津波によって大きく傷ついた大地です。
地元石巻の大学生でその時の状況を話せる学生にバスの中で話してもらいました。
その時の状況を話したくなければ今はいいので、
被災を経験した学生皆にふるコトはありませんでした。
被災を体験してから今までの2年半の話の中には彼らの自然観と郷土愛が不器用ながらも見え隠れしていました。



これから向かう場所は、
震源地に一番近い島の一つである網地島、
震災をという経験を深い学びとして一歩づつ歩む彼らに、
地球時間を体感する冒険の旅が今始まりました。

網地島の海は碧く本土より1~2℃ほど気温が高く感じます。
島に上陸後まずは『自然と向き合う時間』です。




パドルを手にラフトボートに乗り込み海に出ます。
気持ちいいほどクルクルと回るボートを自分の経験と力だけでまっすぐに進めてみたり、


出会ったばかりの仲間と乗り込んで息を合わせて漕いでみたり・・・。
最後にはお約束のように海に落ちたりダイブしたり。
落ちた仲間をボートに引き上げる練習にもなりました。



日も西に傾き始めるころに、
ずぶ濡れのままでの開村式もなんなので、さっぱりとシャワータイム。
島の長老方々を少しお持たせする事になりましたが、
笑顔で対応していただきありがとうございました。


見るのも建てるののも初めてのテントを仲間と共に建てていきます。






※コールマンジャパン様よりテントなどのキャンプ機材をご提供いただきました。

テントを建てたらいよいよ夕食の準備。
『火を焚く』
担当を決めます。
火を起こす人、計りを使わずご飯を炊く人、みんなの食べる食材を食べる分だけを予測して調理する人・・・。
全てにおいて、スタッフが用意することはありませんし、手を貸すこともありません。


失敗するかもしれませんが、まずは火・食材・お米・水に向き合ってもらいます。
多く作りすぎた班、火が点かない班、何をしていいかわからない班…日中の疲れも相まって、
個性がぶつかり始めました。
20:30まだ互いに我慢しあっておりますが、美味しいはずの夕食が何処か気まずさを感じます。
誰のせいにもできないし、誰かのせいにもしたいけれど…出会ったばかりでどうすることもできない学生たち。
自分に向き合う1日となりました。
それでも私たちスタッフは手を貸すことはしませんし、
口を出すこともしません。
気づきのヒントを出すこともないですから歯がゆさはありますが、
大人も今までの生き様と自分に向き合った1日でした。

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9月11日

【チームワーク作り】
朝霧の中5時半から火お越し開始です。
火お越し担当は既にカマドと向き合っておりますが、
なかなか火が点きませんがガンバルしかありません。






今日の午前中は、子供たちと共に筏レースをするための筏作りです。
地元の漁師さんより竹を組む為の筏結びを習います。
海岸に移動し漁師さんの到着を待つ前に、
子供たちを迎えるにあたっての昨日の大学生の動きの中での問題点を話し合ってもらってます。
火の取り扱い、刃物の取り扱い、機材の配置。
気を配る必要は何処にあるか、
なぜ気を配る必要があるのか、
存分に向き合ってもらいます。


地元の漁師さんの到着後、
まずはロープワークです。
そっと大学生に聞いて見ると普段の生活でロープを使う事はないそうです。
しかし子供たちが乗る筏と言うコトもあって、
縛り方が甘いと、沖合で筏がバラバラになり子供たちが投げ出されしまうので、
大学生は真剣です。
筏作りロープワークは、ただ紐を結ぶだけではありません。
力を合わせて押さえ、引き、結、
難しい漁師さんの東北弁を聞き分けながら、
縛り方・締め方・結のタイミングを学んでおります。





連続するタイトなプログラムです。
チームワークを作るはずが、互いに抑え方が悪い・結びが悪い…バラバラな気持ちが、
竹を組むと一目瞭然です。
午前中の時間では到底筏を組める技術まで到達しませんでした。
学生を集めて、午後のプログラムをどうするか話し合ってもらいます。
予定しているプログラムに進むか。
力を合わせてロープワークを完成するか。
チームとしての結論と個人の結論の両方を求めます。

彼らの結論としては、ロープワークを90分延長すると決めました。
私からの課題としては、一か所の縛りを5分で出来るようになるコトと課題を出しました。
一か所を5分で縛る為には、
チームワークが必要です。
縛る人、押える人、タイミングを合わせて綱を引くコト…。




まだまだ、チームワークにバラバラ感がありますが、
技術的には一か所5分で出来るようになりました。



ロープワーク後は、
いよいよ島のおじい&おばぁの家に班ごとでホームステイに出かけます。
網地島の島民の平均年齢は70代後半だと聞きます。
島のおじい・おばぁの家でお手伝いをするコトで、
生きるコト、仲間の大切さ、暮らしのコト、自然のコト、沢山聞くコトと思います。
沢山学び、沢山お手伝いをしておいでと言って送り出しました。

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